本試験とは異なる記述・表現が多々あります。 |
[子育て支援施設のあるコミュニティセンター] |
T設計条件 |
この課題は、ある地方都市の市街地において、「子育て支援部門」と「文化・教養活動部門」とからなるコミュニティセンターを計画するものである。
「子育て支援部門」は、子育てに関する様々な情報の提供や相談等を行なうとともに、子どもを持つ親同士の交流や乳児から小学校低学年までの子どもの遊び場の提供を目的とする。
「文化・教養活動部門」は、地域住民を対象としたサークル活動の交流の場の提供を目的とし、子どもを持つ親が子育て支援部門に子どもをあずけて利用できるようにする。 |
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計画に当たっては、特に次のことが求められている。 |
@子育て支援部門、文化・教養部門及び共用・管理部門の異なる機能をを適切にゾーニングした計画とするとともに、
各部門の動線に配慮した計画とする。 |
A施設を利用する子どもに対する安全の確保のために目が届くような配慮及び高齢者、障害者等の利用に配慮した計画とする。 |
B建築物全体が、構造耐力上、安全であるように計画する。 |
C建築物の環境負荷低減に配慮した計画とする。 |
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1、敷地及び周辺条件 |
(1)敷地の形状、接道条件、周辺状況等は、下図のとおりである。 X=33m Y=50m X・Y=1,650u |
方位が右に45度振られている。 |
@北西側―道路(幅員18m)を挟んでスーパーマーケットがある。 |
A北東側―公共駐車場がある。 |
B南東側―遊歩道(幅員6m)を介して河川がある。 |
C南西側―道路(幅員18m)を挟んで公園がある。 |
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(2)敷地は平坦で、道路及び遊歩道との高低差はないものとする。
また、自転車歩行者道の切り開きは、1箇所当たり6mまでできるものとする。 |
(3)敷地は、第一種住居地域及び準防火地域に指定されている。
また、建蔽率の限度は70%(特定行政庁が指定した角地における加算を含む。)、容積率の限度は300%である。 |
(4)電気、ガス及び上下水道は、完備している。 |
(5)地盤は良好であり、杭打ちの必要はない。 |
(6)河川の氾濫、地下水についてや、気候・積雪についての特別の配慮はしなくて良い。 |
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2、建築物 |
(1) |
地上3階建の1棟の建築物とし、床面積の合計は、2,000u以上、2,500u以下とする。 |
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この課題の床面積の算定においては、ピロティ、塔屋、バルコニー、屋外階段等は、床面積に算入しないものとする。 |
(2) |
構造(構造種別は自由とする。)及び設備(空気調和・衛生設備、電気設備、エレベーター)については、適切に計画する。 |
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3、その他の施設等 |
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(1) |
噴水広場(施設を利用する子どもが水遊びをすることができるもの)を、次のとおり計画する。 |
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@地上に設けるものとし、まとまったスペース(直径5m以上の円が1つ入るスペースとする。)で150u以上(ピロティ、上部に屋根のある部分は算入しない。)とする。 |
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A子育て支援部門のプレイルームとの動線に配慮する。 |
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B噴水、遊具、砂場、足洗い場等を設け、樹木(高さ11m、枝張り直径4m)を植樹する。 |
(2) |
屋上庭園(施設の利用者が自由に散策できるもの)を、次のとおり計画する。 |
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@1階又は2階の屋上に設けるものとし、まとまったスペースで100u以上(上部に屋根又は上階がある部分は算入しない。)とする。 |
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A和室から鑑賞できるものとし、河川が見渡せる位置に計画する。 |
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B植栽を計画し、ベンチ、テーブル等の屋外ファニチャーを設置する。 |
(3) |
駐車場は、地上に平面駐車とし、車いす利用者用として2台分、サービス用として1台分を設ける。
また、利用者用及び職員用の駐車場については、隣地の公共駐車場を利用するものとする。 |
(4) |
駐輪場は、利用者用として30台分(1台当たり0.5m×2m程度)を設ける。 |
(5) |
ごみ置場を設ける。 |
(6) |
(1)〜(5)の「その他の施設等」は、床面積に算入しないものとする。 |
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4、所要室 |
下表の室は全て計画する。 |
部門 |
室 名 |
床面積 |
特 記 事 項 |
子
育
て
支
援
部
門
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・防犯に配慮した計画とする。
・裸足又は上履きで利用する計画とする。
・利用時間は、午前9時から午後5時までとする。 |
受付ホール |
適宜 |
・子育て部門の入口とし、共用・管理部門のエントランスホールからアクセスする。
・下足箱及びベビーカー置場(10u)を設ける。 |
スタッフルーム |
約20u |
・子育て支援部門の利用者の管理を行なう。
・受付ホールに隣接させ、受付カウンターを設ける。 |
プレイルーム |
約250u |
・1階に設け。天井高は6m以上とする。
・子どもが運動等を行なうスペースとする。
・噴水広場へ直接行き来できるようにする。
・採光と通風に配慮する。
・可動式(上下)のステージを設ける。 |
プレイルーム用倉庫 |
約30u |
・プレイルームに隣接させる。 |
託児室 |
約100u |
・1階に設け、施設の利用者の託児に利用する。
・乳児用スペース、幼児用スペース及び授乳コーナーを設ける。 |
育児交流室 |
約50u |
・プレイルームが見渡せる位置に設ける。
・子育てに関する情報収集や親同士の交流の場とする。 |
育児相談室 |
計約30u |
・2室(約15u/1室)を設ける。 |
幼児用便所 |
適宜 |
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文
化
・
教
養
活
動
部
門
|
・履物は履き替えない計画(和室を除く。)とする。
・利用時間は、午前9時から午後9時までとする。 |
図書室 |
約250u |
・開架式とする。
・書架、受付カウンター及び閲覧コーナーを設ける。 |
集会室 |
約120u |
・可動間仕切により2室(約60u/1室)を分割して個別に利用できるようにする。
・育児講座、サークル活動等に利用する。 |
音楽スタジオA |
約50u |
・10人程度が演奏できる空間とする。
・前室を設け、防音に配慮する。 |
音楽スタジオB |
約25u |
・5人程度が演奏できる空間とする。
・前室を設け、防音に配慮する。 |
調理実習室 |
約100u |
・料理教室等に使用する。 |
工作室 |
約50u |
・木工教室等に使用する。 |
和 室 |
約30u |
・茶道教室・華道教室等に利用する。
・屋上庭園が鑑賞できるようにする。
・下足箱及び収納スペースを設ける。 |
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共
用
・
管
理
部
門 |
エントランスホール |
適宜 |
・風除室を設ける。
・30u以上の吹抜けを設ける。
・談話コーナーを設ける。 |
展示ホール |
約50u |
・子どもの創作品等を展示する。
・30u以上の吹抜けを設ける。 |
管理事務室 |
約40u |
・施設全体の運営や入館者の管理を行なう。
・受付・応接コーナを設ける。 |
職員控室 |
適宜 |
・男性用、女性用として各1室設ける。 |
電気・機械室 |
適宜 |
・地上階に設ける。
・設備計画に応じた規模とする。 |
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・便所及び倉庫については、各階に設ける。 |
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(注)上記の床面積の合計(適宜は除く)は、約1,195uとなる。 |
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U、要求図書等 |
設計製図答案用紙の定められた枠内(寸法線は枠外でもよい。)に、黒鉛筆を用いて記入する。 |
1、要求図面 |
下表により、所定の図面を作成し(フリーハンドでもよい。)必要な事項を記入する。 |
図面及び縮尺 |
特 記 事 項 |
(1) 1階平面図
兼
配置図
1/200
(2) 2階平面図
1/200
(3) 3階平面図
1/200
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@建築物の主要寸法(柱割り及び床面積の計算に必要な程度)を記入する。
A室名を記入する。
Bパイプシャフトの位置を図示し、PSと記入する。
C1階平面図兼配置図には、次のものを図示する。
イ、断面図の切断位置
ロ、建築物の出入口
ハ、駐車場(台数及び出入口を明示する。)
ニ、駐輪場(台数を明示する。)
ホ、ごみ置場
ヘ、通路・植栽等
D子育て支援部門における裸足又は上履きで利用するゾーンを斜線で明示する。
Eプレイルーム、託児室、育児交流室、図書室、集会室、音楽スタジオA、調理実習室、工作室、展示ホールの床面積を記入する。
F噴水広場には、面積を記入し、噴水、遊具、砂場、足洗い場、樹木を図示する。
G屋上庭園には、面積を記入し、植栽、ベンチ、テーブル等の屋外ファニチャーを図示する。
H吹抜けとなる部分を図示する。 |
(4)断面図
1/200
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@切断位置は、プレイルームを含み、建築物の全体の立体構成(1〜3階)がわかる断面とする。なお、水平方向、鉛直方向の省略は行なわないものとする。
A塔屋を除く建築物の高さ、階高、天井高、1階床高及び主要な室名を記入する。
B基礎、梁及びスラブの断面を図示する。 |
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2、計画の要点等 |
次の@〜Cについて、計画の要点を記述する。なお、要求図書に該当箇所があれば引き出し線等により補足して明示する。 |
@建築計画について、子どもに対する安全の確保のため目が届くように特に配慮したこと |
A構造計画について、採用した構造種別とその理由 |
B建築物の環境負荷低減について、特に配慮したこと |
C設備計画について、採用した空調方式とその理由 |
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3、面積表 |
各階の床面積及びその合計を記入する。なお、各階の床面積については、その算定式も記入する。 |
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